【箱根駅伝】青学大の若林、あと一歩で「4代目・山の神」襲名ならず 先輩の「3代目」神野大地も悔しがる – スポーツ報知

◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路 (2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ)

前回総合優勝した青学大は、5区の若林宏樹(4年)が1時間9分11秒の区間新記録の快走で中大を逆転し、5時間20分1秒で、2年連続7度目の往路優勝を飾った。ちょうど10年前の15年に5区で区間新記録で走り、青学大の往路と総合の初優勝に貢献した「3代目・山の神」神野大地(31)=現M&Aベストパートナーズ選手兼任監督=は、後輩の若林の力走に最大限の賛辞を送った。

「絶対に往路優勝するんだ、という若林の気持ちが伝わってくる走りでした。卒業後、引退するので最後の力を出し切ろう、という強い意思も感じました。120%の力を出したと思います」と神野選手兼任監督は若林をたたえた。

これまで箱根駅伝では3人の「山の神」が生まれた。初代の今井正人(順大)、2代目の柏原竜二(東洋大)、3代目の神野大地(青学大)だ。5区で区間新記録をマークし、往路の優勝テープを切ることが「襲名」の条件とされる。07年に今井が区間新記録をマークしてゴールした瞬間に日本テレビの河村亮アナウンサーが初めて「山の神」という言葉を使い、定着した。今でも日本テレビのアナウンサーの裁量に任される部分が大きい。「山の神」のフレーズが誕生する前、1974~77年に4年連続で5区区間賞で、そのうち2回、往路優勝した大東大の大久保初男も「神クラス」の活躍をしたが、当時は「山のスペシャリスト」などと呼ばれていた。

従来の区間記録は前回、山本唯翔がマークした1時間9分14秒だった。現在の函嶺洞門バイパスではなく、函嶺洞門を走るコースだった05年に今井が1時間9分12秒で走破。旧コースと現コースはほぼ同じだが、バイパスを通る分、現コースの方が約20メートル長い。時間にして3~4秒。気象条件は異なるが、山本は今井を超えた計算となる。ただ、15年に神野は現コースより約2・45キロ長かったコースを1時間16分15秒で走っており、現コースに換算すると1時間8分54秒で「事実上の区間記録」とされる。今回、若林は山本の区間記録を3秒更新したが「事実上の区間記録」には惜しくも届かず。これまで3代の山の神はいずれも「事実上の区間記録」を更新していることから、若林は「4代目襲名」まで、あと一歩、届かなかったと言える。

自身以来、10年ぶりの4代目誕生を期待していた神野選手兼任監督は「1時間8分台を出していればテレビでも『4代目』と呼ばれたかもしれませんね。惜しかったです」と自分のことのように悔しがった。

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