アメリカに拠点移し20年、真田広之さん「大きく門がアジアの国々に開かれた」…ゴールデングローブ賞「将軍」4部門受賞

【ロサンゼルス=後藤香代】映画やテレビの優秀作品に贈られる第82回ゴールデン・グローブ賞の発表・授賞式が5日、米ロサンゼルス郊外で行われ、真田広之さん(64)主演・プロデュースのハリウッド時代劇「SHOGUN 将軍」がテレビ部門で、作品賞など4部門を受賞した。真田さんは日本人として初めて主演男優賞に輝いた。共演したアンナ・サワイさん(32)は主演女優賞、浅野忠信さん(51)は助演男優賞を獲得した。

受賞を喜ぶ(右から)助演男優賞の浅野忠信さん、主演男優賞の真田広之さん、主演女優賞のアンナ・サワイさん=AP

「SHOGUN」は英国出身の作家による小説を原作に、1980年に三船敏郎さんらが出演した米ドラマのリメイク版で、米ウォルト・ディズニー傘下のFXが制作。戦国時代の日本を舞台に武将らの覇権争いを描き、真田さんは徳川家康をモデルにした主人公の武将を演じた。浅野さんはその配下の武将役、サワイさんは英国人航海士の通訳役だった。

主人公の武将役の真田広之さん(奥)と、英国人航海士の通訳を演じたアンナ・サワイさん Courtesy of FX Networks

昨年9月、米テレビ界最高の栄誉・エミー賞で、作品賞など史上最多計18部門を受賞したのに続く快挙となった。

ゲスト扱いされないように「踏ん張って続けなければとの思いでやってきた」。米国に拠点を移して20年、集大成として臨んだ作品で再び栄冠を手にし、真田さんは記者会見で喜びを語った。「橋を渡ってこられる状況が作れた」と、自分たちに続く後輩たちの活躍への期待も口にした。

プロデューサーとして日本文化に関わる全てを担当し、スタッフ選びや配役、脚本作りまで携わった。「異文化に興味を持ち、楽しんだ観客が世界中にこれだけいると立証され、大きく門がアジアの国々に開かれた」と強調した。

授賞式でサワイさんは「良い脚本がなければ、潜在能力を最大限発揮した演技をするのは不可能だった」と、脚本家たちにも感謝の言葉を述べた。浅野さんはエミー賞で受賞を逃していただけに、「これは私にとって、とても大きなプレゼントだ」と、壇上で今回の受賞を喜んだ。

「SHOGUN」は昨年2月に世界配信を開始し、最初の6日間で900万回再生された。日本では動画配信サービス「ディズニープラス」の「スター」で独占配信されている。

映画部門では、作品賞に「ブルータリスト」(ドラマ)と「Emilia Pe´rez(原題)」(ミュージカル・コメディー)がそれぞれ選ばれた。

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