中国で流行「ヒトメタニューモウイルス」とは?森内医師が解説する“パニック不要”の理由 | TBS NEWS DIG (1ページ)

中国で増加していると指摘されている「ヒトメタニューモウイルス」。春節を前にした感染拡大は、新型コロナウイルスのパンデミックを連想させます。どんなウイルスなのでしょうか?長崎大学病院の小児科長で高度感染症研究センターのセンター長もつとめる森内浩幸医師に聞きました。

ヒトメタニューモウイルスとは

ヒトメタニューモウイルス (human metapneumovirus: hMPV) は、2001年にオランダで発見されたウイルスです。

長崎大学 森内浩幸教授:

「あまり聞きなれない名前のウイルスが出てきたので『また新しいウイルスがでてきたのか』と勘違いされている方もおられますが、このウイルスは20年以上前に見つかっているウイルスで、実際はもっと昔から世界中に広がっているウイルスです」

『風邪を起こすウイルスの一つ』として私達はとらえています。日本でも毎年のように流行がおこっています。時々比較的大きな流行が起こることありまが、決して新しく出てきたウイルスではありません」

小学校に入るまでに一度はかかっている

長崎大学 森内浩幸教授:

「一番近いウイルスは「RSウイルス」です。小さな子供達やお年寄りが感染すると重症化することがありますが、年長児より大きい子供や大人であればかかっても‟ごく軽い風邪程度”という病気―それと同じようなウイルスです」

「症状のほとんどは普通の風邪症状で、せきや鼻水や熱などです。私たち小児科医にとってはごくごくありふれた病気で決して珍しいものではありません。『ただの風邪だと思っていたら、実はヒトメタニューモウイルスだった』ということが結構あります」

「RSウイルスは2歳未満でかかることが多いんですが、ヒトメタニューモウイルスは大体小学校に入るまでに、ほとんどの子どもは一度は感染している」

「ただ一度感染すれば2度と掛からないという病気ではないので、繰り返し何度もかかります。2回目3回目となっていくにつれて、だんだん軽くなって来るし、症状がほとんど出ないこともあります」

「ただし、小さな子供やお年寄り、元々肺に病気を持っている人などの場合、重い病気を起こすことがあるので注意が必要です」

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