中大往路2位、藤原監督「100点満点。自分たちの存在、強さを証明してくれた」ー第101回東京箱根間往復大学駅伝競走 往路

陸上競技部

2025年1月2日 東京・大手町〜神奈川・芦ノ湖

全日本大学駅伝を12位で終え、箱根駅伝を「7位」と目標を設定し直した中大。前半に吉居駿恭(法3)、溜池一太(文3)、本間颯(経2)の10000㍍27分台を持つ3人を並べて挑んだ往路は、1区吉居の独走体制からの区間賞で2区溜池へ。3区本間も念願の区間賞を獲得した。5区園木大斗(法4)が青学大にかわされるも、堂々の2位。翌日の復路へ期待が高まる結果となった。

(記事:片岡芹菜、二村沙羅 写真:浅野詩多、井口縁、大日方惠和、遠藤潤、髙橋若夏、志水恒太、塚越香都、日向野芯、松岡明希、山口周起、髙梨晃世、日向野芯、湊谷昂太郎、要明里沙、村野風珈、渡邉咲衣、齊藤さくら、松浦有紗、琴寄永里加、琴寄由佳梨、日原優、白川日向、大畠栞里、石井悠樹)

◆大会結果◆

①青学大 5時間20分01秒

②中大 5時間21分48秒

③早大 5時間22分30秒

1区 21.3km 吉居駿恭(法3)1時間1分07秒 区間1位

2区 23.1km 溜池一太(文3)1時間6分39秒 区間9位

3区 21.4km 本間颯(経2)1時間00分16秒 区間1位

4区 20.9km 白川陽大(文3)1時間2分03秒 区間9位

5区 20.8km 園木大斗(法4)1時間11分43秒 区間6位

▲2年連続区間賞を獲得した吉居

1区を任されたのは吉居駿恭(法3)。3年前に兄、吉居大和(令6卒=現トヨタ自動車)がスタート直後から飛び出したのを彷彿とさせる展開で1区はスタートした。藤原正和駅伝監督はレースプランを「3パターンくらい作っていた」と明かし、その中で吉居自身が飛び出す選択をした。「運が良かったというのが一番。まさか後ろがついてこないとは思っていなかったのでラッキーだった」と吉居は語るが、最後まで自身の実力を遺憾無く発揮。「区間賞はどうしても取りたいと思っていた」と昨年の7区区間賞に続き、今回は往路1区での区間賞を獲得した。

▲2区9位と健闘した溜池(左)

「駿恭が良い流れで襷(たすき)を持ってきてくれたので、自分も後ろを気にする事なくのびのびと走れた」と話す2区の溜池一太(文3)。「自分は上りでも下りでも平坦でもどこでも走れるのが強み」の言葉を体現するように、留学生や各大学のエースがひしめく2区で淡々と首位を走り続けた。そして「66分40秒くらい」という藤原監督の指示通りの66分39秒で走破。しかしながら、「うれしい気持ちと悔しい気持ちがある」と区間9位という結果を振り返った。

▲初の箱根路で区間賞を獲得した本間

3区を任されたのは初の箱根路となった本間颯(経2)。設定タイムについて「2年前に中野翔太さん(令6卒=現Honda)が区間賞を取った時のタイムを参考にして、ほぼ予定通りでいけた」と満足な走りができたと話した。溜池から先頭と40秒差で襷を受け取ると2位との差を着実に広げ、平塚中継所では後続に1分34秒の差をつけて吉居に続き見事区間賞を獲得した。本間の手袋には主将の佐野拓実(経4)、同期の柴田大地(文2)からのメッセージが書かれており、箱根路への出走が叶わなかった佐野からは、「『叶わなかった俺の夢託す』ということだったので、自分のためだけではなく今年1年チームを作ってくれた佐野さんのためにという思いも一緒に背負って走れた。柴田からは『日本一の相棒を証明してこい』と。柴田が日本選手権3000㍍障害2番で、その実績じゃ自分ももう負けていられないなと思ったので。今回区間賞という形でやっと実績で肩を並べられるぐらいにはなれたかなと思う」と振り返った。

▲堅実な走りで首位を守り抜いた白川

続く4区は2度目の出走となった白川陽大(文3)。太田(青学大)に区間賞の走りで追い上げられるも、安定した走りで区間9位をマークしトップを守り抜いた。レース全体を振り返って「前の3人がいい形で運んできてくれたので自分も乗っかろうと思って全体的に走れたが、区間順位もいまいちぱっとしなかったし課題は残った。全体的に最後まで諦めずにいけたのは良かった」と話し、「(昨年区間16位に沈んだ9区と比べて)往路で最初からガンガン行って耐える区間だったので、きついのはどちらもきついが今年の方が乗っていけた感じはした」と昨年の雪辱を果たした。

▲往路2位のゴールテープを切った園木

迎えた5区山上りは最初で最後の箱根路となった園木が出走。2位の青学大と45秒差で襷を受け序盤は速いペースを刻んだが、過去2度の山上りの経験を持つ若林(青学大)に徐々に追い上げられる。9キロ過ぎに首位を譲り、1分47秒差の2位でゴール。3位の早大とは42秒差で往路を終えた。園木は「襷をもらった位置が1位だったので、そのまま往路優勝するのが最高の形ではあった。2位で後悔がないと言ったらそれは嘘になるが、今の自分の全力は出し切った」と区間6位でまとめた走りを振り返った。

レース後、藤原監督は「想定よりもみんないい走りをしてくれたので、100点満点。(タイムが想定よりも)トータルでは上回ってきたので強かったと思う」と振り返り、チームの雰囲気については「やってやろうという雰囲気が11月のMARCH対抗戦あたりから出てきて、12月は非常に雰囲気良くやれた。周りが選手を盛り上げてくれた部分が非常に大きく、この駅伝につながっている」と話した。

下馬評を覆し往路を2位で終えた中大。明日の復路について、本間は「復路も強い選手を残しているので、まだ優勝を目指せると思う。しっかり残り5区間一人一人が仕事をすれば必ず前と縮まってくると思うので、頑張ってほしい」と話し、藤原監督は「7、8、9区でどれだけ詰められるかが1つ大きな勝負になるかなと思っているので、そこを攻めて全区間いい形で戦って大手町に帰りたい」と意気込みを語った。

目標順位を大幅に上回り、往路全員で「自分たちの存在や強さを証明してくれた」と藤原監督。主将佐野は「きつい場面が絶対来るとしてもそれを乗り越えるだけのチーム力が付いているので、明日も全員自信を持って走ってほしい」と思いを口にした。

挑戦者として臨んだ今回の箱根駅伝。目標達成を越え、強さの答え合わせへ。明日の復路も一人一人が力を発揮し、大手町へと襷をつなぐ。

◆お知らせ◆

復路は明日1月3日8時に号砲を迎えます。

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