俳優の藤竜也が30日、東京・パルテノン多摩で行われた「第16回 TAMA映画賞授賞式」に出席し、最優秀男優賞を受賞した。
認知症の父親役で出演した「大いなる不在」の演技が高く評価された。藤は、壇上でトロフィーを高らかに掲げ「バリバリのトップランナーに交ぜていただいて、私はまだ現役でいるんだなとうれしいです」と他の受賞者を見渡して目尻を下げた。
60年以上のキャリアについて「振り返ることが嫌いで、撮影が終わった作品の台本を割いて捨てるのが一番の楽しみなんです」と明かし、「だけど、いい加減くたびれてきて、足も痛いしね。でも今日はTAMA映画賞さんという方から冷たい水を一杯どうぞと差し出していただいたようで、生き返りました。いつも映画を応援してくださってありがとうございます」と受賞を感謝した。
同賞は、映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」(呉美保監督)の吉沢亮も受賞した。
◆受賞一覧
▼最優秀作品賞「夜明けのすべて」「ぼくのお日さま」
▼特別賞 「ぼくが生きてる、ふたつの世界」「ルックバック」
▼最優秀男優賞 藤竜也、吉沢亮
▼最優秀女優賞 上白石萌音、河合優実
▼最優秀新進監督賞 「大いなる不在」近浦啓監督、「ナミビアの砂漠」山中瑶子監督
▼最優秀新進男優賞 松村北斗、齋藤潤
▼最優秀新進女優賞 森田想、早瀬憩