<袴田巌さん再審>取り調べは「不適正」 静岡県警と最高検、袴田さん捜査で初の総括(毎日新聞) – Yahoo!ニュース

袴田巌さんの再審で無罪判決が出され、笑顔を見せる姉の秀子さん(中央左)=静岡市葵区で2024年9月26日午後4時12分、宮武祐希撮影

1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人が殺害された事件で、袴田巌さん(88)の再審無罪が確定したことを受け、静岡県警と最高検は26日、袴田さんに対する当時の取り調べが不適正だったとする検証結果を公表した。再審無罪判決が指摘した物証の捏造(ねつぞう)は認定しなかった。事件を巡って捜査当局が捜査のあり方や再審請求手続きの長期化について問題点を総括するのは初めて。 【写真・図解まとめ】58年前の痕跡あちこちに 事件現場のいま 検証は、袴田さんが「自白」を強いられた当時の取り調べの適否▽再審無罪判決で認定された物証の捏造の真偽▽2014年に再審開始決定が出ながら、確定まで9年を要した再審手続きの長期化の課題――が主な対象となった。 県警は、袴田さんの取り調べが1日平均で約12時間行われ、勾留の長期化をほのめかして自白を迫ったことや、取調室内で排尿させていた実態を確認。「不適正であったと言わざるを得ない」と結論付けた。 また、録音装置が設置された取調室で弁護人との接見が行われていたとみられるとし、「重大な違法。重く受け止め、深く反省するとともに、教訓としなければならない」と総括した。 最高検も、容疑を否認していた袴田さんに、検察官が犯人であることを決めつけたような発言をしながら自白を求めたとし、「供述に真摯(しんし)に耳を傾けたものとは言えなかった」とまとめた。 一方、県警、最高検とも、再審無罪判決が指摘した「5点の衣類」の捏造は認定しなかった。 5点の衣類は、袴田さんの逮捕から約1年後、袴田さんが勤務していたみそ製造会社のみそタンクから見つかり、確定判決で有罪の根拠とされた。 県警は当時の捜査員らから改めて事情を聞き取ったとしたが、捏造は特定できなかったとした。最高検は現実的にあり得ないとの見解を改めて表明した。 再審請求審の長期化に関しては、DNA型鑑定や血痕の色調といった科学的な検証が求められる争点が含まれていたとして、最高検は「審理がある程度、長期間に及ぶこともやむを得ない面があった」とした。 静岡地裁が14年に出した再審開始決定に、検察側が不服申し立てをしたことも、最高検は「不当に長期化したとは認められない」として正当だったとの考えを示した。 事件は66年6月30日に発生。みそ製造会社の専務一家が殺害され、静岡地裁は68年に袴田さんに死刑を言い渡し、確定した。しかし、第2次再審請求審で再審開始決定が出て確定。静岡地裁が24年9月、再審無罪判決を言い渡し、検察側は控訴を断念した。【安元久美子、北村秀徳、岩本桜】

毎日新聞

*******

****************************************************************************

*******

****************************************************************************

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *